映画ミッション:8ミニッツを見た

『月に囚われた男』のダンカン・ジョーンズ監督作はSF風味のサスペンスです。


人間の深層意識に潜入するというプロットを聞いた時は、夢枕獏の「サイコダイバー」みたいなスピリチュアルな物語かと思っていたが、 実際はもっとサイエンス寄りな設定だった。


ただし、その仕組みはさっぱり理解できずです。


ハリウッド大作とは決して言えないこじんまりとした内容だったが限られた予算で最大限の面白さを引き出しており、 意外やダンカン・ジョーンズ監督の職人としての一面を見た感じです。


時間もさほど長くないし、手軽に楽しめる作品‥というのは嘘で、実は何気に頭を使う作品なので、 ポップコーンをかじりながら気楽に観るというタイプの作品ではないです。


本作のポイントはSFの世界では有名なネタの一つ、タイム・パラドックスを物語の軸に据えていることです。


著名なSF作家の先生方がさんざん頭を悩ませてきた難易度の高いテーマだけに、その展開や話題のラストも正直モヤモヤが残るのは否めないです。


しかし、本作の面白い点はその時間テーマを縦糸に、そして当の主人公スティーヴンス大尉が直面する自らの運命を横糸に物語を構築しているところで、 繰り返し行われる転送により周りの状況が変化していくことに気づいた彼は、未来は変えられると確信し、ある計画を実行する。


彼がその計画を実行しながらも、自分の身を案じる父親となんとかコンタクトを取ろうとするくだりは何とも切ないです。